ホルモンの基本情報

ホルモンとは、牛や豚の内臓から取れる部位の総称です。モツとも呼ばれ、小腸・大腸・胃・心臓・肝臓など多岐にわたる種類があります。焼肉店では定番メニューとして親しまれており、プリプリとした食感や濃厚な旨みが魅力です。近年は部位ごとの特徴が広く知られるようになり、ホルモン専門店や焼肉店のホルモンメニューへの注目も高まっています。

一方で、ホルモン特有の臭みを敬遠する方も少なくありません。臭みの主な原因は、内臓に残った血液・脂肪の酸化・内容物の残留などです。市販のホルモンはある程度処理済みのものが多いですが、購入後に適切な下処理を行うことで臭みをさらに抑えられます。新鮮なものを選ぶことも重要ですが、丁寧な下処理を加えることでホルモン本来の旨みをより美味しく引き出すことができます。下処理は一見手間がかかるように思われがちですが、基本を押さえれば自宅でも簡単に実践できます。

下処理に必要な道具と材料

下処理を始める前に、以下の道具と材料を準備しましょう。特別なものは必要なく、家庭にあるものでほぼ揃います。

道具は清潔なものを使うことが大切です。ボウルやざるはあらかじめ洗っておきましょう。

下処理の3ステップ

ステップ1:塩もみで汚れと臭みを取り除く

最初のステップは塩もみです。ボウルにホルモンを入れ、全体に塩をふりかけてよくもみ込みます。塩の量はホルモン100gに対して小さじ1〜2杯が目安です。力を入れてまんべんなくもみ込むことで、内側の汚れや臭みの原因となる物質が表面に引き出されます。白っぽい液体や血液が出てきたら、流水でしっかりと洗い流してください。この作業を2〜3回繰り返すことで効果が高まります。洗い流したあと、水が透き通ってきたらステップ1の完了です。

ステップ2:小麦粉(または片栗粉)でぬめりを除去する

次に粉を使ったもみ洗いを行います。水気を軽く切ったホルモンをボウルに入れ、小麦粉(または片栗粉)を大さじ2〜3杯ふりかけて全体にまぶし、よくもみ込みます。粉がホルモン表面のぬめりや雑味を吸着してくれるので、臭みの軽減に非常に効果的です。もみ込んだ後は流水でしっかりと洗い流してください。粉が残ると焼いたときに焦げやすくなるため、流水で丁寧に洗い落とすことがポイントです。ざるを使うと洗い流しやすく、粉が詰まる心配も減ります。

ステップ3:牛乳に浸けて血液臭を中和する

血液臭が気になるホルモンには、牛乳に浸ける方法が効果的です。ボウルに牛乳を注ぎ、ホルモンを30分〜1時間ほど浸けておきます。牛乳に含まれるたんぱく質が血液臭の原因物質を吸着・中和し、マイルドな仕上がりにしてくれます。浸け終わったら牛乳を捨て、流水でよく洗い流してください。このステップはマルチョウ(小腸)・テッチャン(大腸)・レバーなど、臭みが強めの部位に特に有効です。ミノやハツなど比較的臭みが少ない部位では省略しても問題ありません。

全てのステップをかならず行う必要はありません。部位や臭みの強さに合わせて、塩もみだけで十分な場合や、3つのステップすべてを行う場合など、柔軟に対応しましょう。新鮮なホルモンほど簡略化できます。

部位別の下処理の目安

ホルモンは部位によって臭みの強さが異なります。以下の表を参考に、部位に合わせた下処理を行ってください。

部位 塩もみ 小麦粉もみ 牛乳漬け
マルチョウ(小腸) 2〜3回 1〜2回 30分〜1時間
シマチョウ・テッチャン(大腸) 2〜3回 1〜2回 30分程度
ミノ(第一胃) 2回 1回 省略可
ハツ(心臓) 1〜2回 省略可 30分程度
センマイ(第三胃) 2回 1回 省略可

いずれの部位も下処理後はキッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取ることが大切です。水分が残ったまま焼くと蒸し焼き状態になり、香ばしい焼き上がりになりません。各部位の焼き方について詳しくはホルモンの焼き方の記事もあわせてご覧ください。

よくある失敗と対処法

ホルモンの下処理でよくある失敗と、その対策をまとめます。

失敗①:洗いが甘く臭みが残る
塩もみや小麦粉もみのあと、流水でしっかり洗い流せていないと臭みが残ります。透明な水が出るまで丁寧に流水で洗い流しましょう。特に小麦粉は残ると焦げの原因になるため、念入りに洗い落とすことが重要です。

失敗②:牛乳に浸けすぎてホルモンの風味が薄れる
牛乳に長時間浸けすぎると、臭みだけでなくホルモン本来の旨みや風味も失われてしまいます。浸ける時間は1〜2時間を上限の目安とし、臭みが強い場合は最初の塩もみを丁寧に繰り返す方が効果的です。

失敗③:下処理後に水気を取らない
下処理後に水気が残ったまま焼くと、水分が蒸発して表面がカリッとした食感になりません。キッチンペーパーで押さえるようにして水気をしっかり取り除きましょう。余分な水分を取ることで、香ばしい焼き色がつきやすくなります。

失敗④:新鮮でないホルモンを使う
下処理を丁寧に行っても、素材の鮮度が悪ければ限界があります。臭みを最小限に抑えるためにも、できるだけ新鮮なホルモンを購入することが一番の近道です。購入後はすぐに下処理を行い、その日のうちに調理するのが理想的です。

まとめ

ホルモンの下処理は、塩もみ・小麦粉もみ・牛乳漬けの3つのステップが基本です。部位や臭みの強さに合わせてステップを選べば、臭みを効果的に取り除くことができます。下処理のあとは必ず水気を拭き取ってから焼くことで、香ばしくジューシーに仕上がります。ひと手間加えることでホルモンの美味しさが格段にアップするので、ぜひ試してみてください。臭みの原因と対策について詳しく知りたい方はホルモンの臭みの原因と対処法もあわせてご覧ください。