鶏ハツとはどんな部位?
鶏ハツとは、鶏の心臓のことです。焼き鳥の定番串として広く知られており、コリコリとした独特の弾力と、濃厚でうまみのある味わいが特徴です。レバーと一緒に連なった状態で販売されることが多く、「ハツ元」と呼ばれる接合部分がついたまま売られているケースもよく見かけます。
カロリーは100gあたり一般的な目安として約140〜200kcal程度とされており、たんぱく質が豊富で鉄分やビタミンB群も含まれています。低脂質で栄養価が高く、焼き鳥店では塩焼きが人気ですが、自宅でも下処理さえきちんと行えば、ジューシーでおいしく仕上げることができます。
下処理をしないで調理すると、血の塊による生臭さや苦みが気になることがあります。手順は難しくなく、慣れれば5〜10分程度で完了します。この記事では、ハツ元の切り分けから血抜き・水にさらすまでの流れを順を追って解説します。
下処理に必要な道具
鶏ハツの下処理に必要なものは、どの家庭にもある基本的なものばかりです。
- 包丁・まな板
- ボウル(水にさらす用)
- 流水が使えるシンク
- キッチンペーパー
特別な道具は必要ありません。ただし、ハツは生の状態では血が固まりやすい部位なので、購入後はなるべく早めに下処理を済ませるのがポイントです。当日中に使わない場合は、下処理を済ませてから保存すると鮮度の劣化を抑えられます。
ハツとレバーがセットになったパックで購入した場合、まず二つを切り分けてからそれぞれの下処理に進みましょう。レバーとハツでは下処理の手順が異なります。
下処理の手順
ステップ1:ハツ元を切り分ける
レバーと一緒に連なっている場合、ハツとレバーの接合部分(ハツ元)を包丁で切り分けます。ハツ元には白っぽい脂肪や膜がついていることがあり、気になる場合はトリミングしてください。
ハツ元は「つながり」「はつもと」「こころのこり」などと呼ばれる希少な部位で、独特のコリコリとした食感が楽しめます。捨てずにハツと一緒に焼いて食べることができますが、初めて下処理する方はまずハツ本体だけで練習するのがおすすめです。
ステップ2:縦に切り開く
ハツを横に倒し、包丁で縦方向に切り込みを入れて開きます。完全に二つに切り分けるのではなく、観音開きの状態にするのが一般的です。こうすることで内部が見えるようになり、血の塊の確認がしやすくなります。また、切り開いておくことで加熱時に均一に火が通り、食感も均一に仕上がります。
内部には暗赤色の血の塊が残っていることが多く、これが臭みの主な原因となります。包丁でそぎ取れるほどしっかり固まっている場合は、まず包丁で取り除いてから洗い流す方が効率的です。
ステップ3:流水で血抜きをおこなう
切り開いたハツを流水の下に持ち、内側の血の塊をやさしく指で押し出しながら洗います。水が透明に近くなるまで繰り返すのが目安です。力を入れすぎると身が崩れるため、指先でやさしく押すようにしてください。
外側の表面も合わせて軽く洗い、全体についた血や汚れを流します。このとき、細かな血管の中に血が残っていても完全にゼロにする必要はありません。大きな塊が取れていれば十分です。
ステップ4:水にさらして臭みを取る
流水での血抜きが終わったら、ボウルに冷水を張ってハツを浸けます。10〜15分ほど水にさらすことで、残った血や臭みをさらに軽減できます。水が赤くなったら1〜2回水を替えるとより効果的です。
牛乳に浸ける方法もありますが、冷水だけでも十分な効果が得られます。さらに念を入れたい場合は、水にひとつまみの塩を加えて浸けると臭みが抜けやすくなります。
ステップ5:水気を拭き取る
水にさらし終えたら、キッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取ります。余分な水分が残ると、焼くときに蒸れて食感が悪くなるほか、フライパンや網での油はねの原因にもなります。これで下処理は完了です。
調理方法別の目安
下処理が済んだ鶏ハツは、焼き鳥以外にもさまざまな調理法で使えます。
| 調理方法 | 切り方のポイント | 加熱時間の目安 |
|---|---|---|
| 焼き鳥(串焼き・丸のまま) | 切り開かずに串打ち。血抜きを丁寧に | 中火〜強火で5〜7分 |
| 焼き鳥(開いて串打ち) | 観音開きにしてから串に通す | 中火で4〜6分 |
| フライパン炒め | 切り開いてから薄切りにすると火が均一に通る | 強めの中火で3〜5分 |
| 煮込み料理 | 下茹で(お湯で1〜2分)してから使うとより臭みが抑えられる | 用途によって異なる |
焼き鳥として串焼きにする場合、切り開かず丸のまま串を通す方法と、観音開きにしてから串打ちする方法があります。丸のままにすると中心まで火が通るのに少し時間がかかりますが、断面の食感が一体感あって食べごたえがあります。開いてから串打ちすると火の通りが均一で、短時間でムラなく仕上がります。
よくある失敗と対処法
失敗①:臭みが残る
血抜きが不十分な場合に起こりやすい問題です。水にさらす時間を延ばす(20〜30分程度)か、水にひとつまみの塩を加えてさらすと効果的です。調理前にしょうが汁・酒・醤油を少量もみ込む方法も、臭み軽減に役立ちます。塩こうじに30分ほど漬け込む方法は臭みを取りながら柔らかくする効果も期待できます。
失敗②:食感が固くなりすぎる
加熱しすぎが主な原因です。ハツは内部まで火が通れば十分であり、焼き過ぎると食感が固くパサついてしまいます。断面が「ほんのり赤みが残る程度」を目安にすると、柔らかくジューシーに仕上がります。ただし、食中毒を避けるために中心温度75℃・1分以上の加熱は必ず守るようにしましょう。
失敗③:細い血管の血が完全に取れない
切り開いた後でも、細い血管の中に少量の血が残ることがあります。爪楊枝を使って押し出すか、水の流水圧を利用して流し出す方法が有効です。ハツの構造上、完全にゼロにするのは難しいですが、大きな塊が取れていれば通常の使用には問題ありません。
まとめ
鶏ハツの下処理は、ハツ元の切り分け・縦に開く・流水での血抜き・水にさらす・水気を拭き取るという5つのステップが基本です。どの工程も難しくなく、慣れれば10分程度で完了します。丁寧な血抜きをおこなうことで、臭みが少なくコリコリ食感のよいハツを楽しめます。水にさらす時間は10〜15分を目安に、仕上げは水気をしっかり拭き取ってから調理に入りましょう。焼き鳥だけでなく、炒め物やレバニラ風にアレンジするのもおすすめです。