ギアラとはどんな部位か
ギアラは牛の第四の胃(真胃)にあたるホルモンで、「赤センマイ」とも呼ばれる部位です。牛には4つの胃があり、第一胃がミノ、第二胃がハチノス、第三胃がセンマイ、そして第四胃がギアラです。4つの胃の中で唯一、消化液を分泌する本来の意味での胃にあたり、表面が赤みがかった色をしているのが特徴です。ギアラの味・食感・カロリーについては部位解説記事でもくわしく紹介しています。
食感は弾力があって歯ごたえがあり、噛むほどに旨みが広がります。ミノやセンマイと比べると比較的やわらかく、ホルモン初心者にも食べやすい部類に入ります。脂のしつこさも控えめで、塩・タレどちらの味付けにもよく合います。
ギアラはホルモンの中では比較的くせが少ない部位ですが、表面についたぬめりをしっかり取り除かないと独特のにおいが残ります。適切な下処理を行うことで臭みがほぼ気にならなくなり、ギアラ本来の弾力と旨みを引き出せます。下処理の工程が仕上がりを大きく左右するため、手順を把握してから調理に入ることが大切です。
下処理の手順
ステップ1:流水でぬめりを洗い流す
ギアラを袋や容器から取り出し、冷水を流しながら全体をやさしくこすり洗いします。表面についた白っぽいぬめりや汚れを流し落とすことが目的です。力を入れすぎると身が崩れることがあるため、流水の下でやさしくなでるようにして洗いましょう。表面のぬめりが大まかに落ちたら次のステップに進みます。
ステップ2:塩でもみ洗いする
流水洗いの後、塩をまぶして手でしっかりもみ込みます。目安は100gのギアラに対して塩小さじ1程度です。塩がぬめりや余分な汚れを吸い取る役割を果たします。もみ込んだ後は塩が白っぽくなったり、ぬめりが出てきたりします。もみ終わったら流水でしっかりすすいで塩分を落とします。
ステップ3:ゆでこぼしをする
鍋にたっぷりの水を沸騰させ、ギアラを入れて1〜2分ゆでます。最初のゆで汁には汚れや臭みの成分が多く出るため、この湯を捨てるのが「ゆでこぼし」です。鍋をさっと洗い、新しい水を入れて再び沸騰させ、10〜15分を目安にゆでます。ゆであがったらザルにあけ、粗熱を取ります。焼肉に使う場合はひと口大に切り分けてから調理に移ります。
ゆでこぼしとは最初のゆで汁を捨てる工程です。ホルモンの下処理では基本的な一手間で、これをすることで臭みのもとになる成分をしっかり取り除けます。面倒に感じても省略しないことがポイントです。
下ゆでの回数と仕上がりの目安
ゆでこぼしの回数によって、仕上がりの臭みと旨みのバランスが変わります。目的や好みに合わせて回数を調整するとよいでしょう。
| ゆでこぼし回数 | 臭みの残り方 | 旨みの残り方 | 向いている食べ方 |
|---|---|---|---|
| 1回 | 多少残る場合あり | しっかり残る | タレ焼き・もつ鍋 |
| 2回 | ほぼ気にならない | 適度に残る | 塩焼き・炒め物 |
| 3回以上 | ほとんどなし | 淡白になる | ポン酢和え・酢味噌 |
仕上がりの確認は色と弾力で行います。下ゆで後のギアラは、赤みが落ち着いてピンク〜白みがかった色に変わります。指で軽く押して適度な弾力があれば火がしっかり通っている状態です。ぐにゃっとやわらかすぎる場合は加熱不足、ゴムのように硬い場合はゆですぎの可能性があります。
切り口の断面がピンク色であれば適切に火が通っています。もつ鍋や炒め物に使う場合はそのまま調理に入れ、焼肉に使う場合はひと口大に切り分けてから焼きます。下ゆで後に長時間置く場合は、水気をよく拭いてからラップに包んで保存してください。
よくある失敗と対処法
臭みが残ってしまった場合
流水洗いや塩もみが不十分だったり、ゆでこぼしを省いたりすると臭みが残ることがあります。ゆでこぼしを1〜2回確実に行い、本ゆでのお湯に生姜スライスを数枚加えると臭みをさらに和らげられます。一度仕上がったものはすでに加熱されているため、再度ゆでると食感が硬くなる点に注意してください。
食感が硬くなりすぎた場合
本ゆでの時間が長すぎたり、ゆでこぼしを繰り返しすぎると食感が硬くなります。本ゆでは10〜15分を目安にし、時間になったらすぐにザルにあけて余熱が通り続けないようにしましょう。ゆでこぼしは2回までとすることで旨みも残りやすくなります。
ぬめりが取りきれなかった場合
流水だけでは落としきれないぬめりは、塩もみをしっかり行うことで取り除けます。塩でもんだ後のすすぎを2〜3回繰り返すと、より確実にぬめりを落とせます。塩もみを省略したり、すすぎが不十分だと下ゆで後にもにおいが残りやすくなります。
脂が抜けてパサつく場合
ゆで時間が長くなると脂も溶け出してパサついた仕上がりになります。ゆであがったらすぐにザルにあけて余熱を止め、粗熱が取れたら早めに次の調理に移すとよいでしょう。
ギアラの下処理に関するよくある質問
ギアラの塩もみに使う塩の量の目安はどのくらいですか?
一般的な目安は100gのギアラに対して塩小さじ1程度です。塩が少なすぎるとぬめりが取りきれず、多すぎると身に塩気がつきすぎることがあります。もみ終わったら流水で丁寧にすすいで塩分を洗い落としましょう。
ゆでこぼしは何回行えばよいですか?
一般的に2回のゆでこぼしが目安です。1回でも臭みはある程度取れますが、2回行うとほぼ気にならなくなります。3回以上行うと旨みも抜けて淡白な仕上がりになるため、2回程度を基本とするとよいでしょう。
本ゆでの時間はどのくらいが適切ですか?
ゆでこぼし後の本ゆでは10〜15分程度が目安です。最初のゆでこぼし用は1〜2分で十分です。本ゆでが長すぎると食感が硬くなるため、弾力を確認しながら調整してください。
ギアラの下処理で生姜を使う必要はありますか?
必須ではありませんが、本ゆでのお湯に生姜スライスを加えると臭みをより抑えられます。特に臭みが気になる場合の補助として活用してみてください。塩もみとゆでこぼしをしっかり行えば、生姜なしでも十分に下処理できます。
ギアラとセンマイの下処理に違いはありますか?
基本的な流れ(流水洗い・塩もみ・ゆでこぼし)はほぼ共通しています。センマイは黒い薄皮の扱い方で「黒センマイ」と「白センマイ」の2通りに分かれる点がギアラとは異なります。ギアラには薄皮をはがす工程はなく、センマイよりシンプルな手順で仕上げられます。
下処理後のギアラはどのくらい保存できますか?
下ゆで後に水気を拭いてラップで包んで冷蔵すれば、早めに使い切るのが基本です。長期保存の場合は小分けにして冷凍すると便利です。冷凍の場合は使う分だけ冷蔵庫でゆっくり解凍するとドリップが出にくくなります。
まとめ
ギアラの下処理は「流水洗い→塩もみ(目安は100gに対して塩小さじ1程度)→ゆでこぼし」の3ステップが基本です。ゆでこぼしは2回が目安で、本ゆでは10〜15分を超えないようにすると弾力のある食感を保てます。丁寧に下処理を行えばクセはほとんど気にならなくなり、ギアラ本来の旨みを存分に楽しめます。