ギアラとはどこの部位?

ギアラは、牛が持つ4つの胃のうち第四胃(だいしいい)にあたる部位です。牛は反芻(はんすう)動物で、食べた草を繰り返し噛み直しながら消化する特殊な消化器官を持っています。その4つの胃は、第一胃(ミノ)・第二胃(ハチノス)・第三胃(センマイ)・第四胃(ギアラ)と呼ばれており、それぞれが異なる役割と食感を持っています。

ギアラはそのなかで唯一、消化液(胃酸)を分泌する「本物の胃」です。人間の胃と機能的に最も近い部位であり、内側の粘膜が赤みを帯びているのが特徴です。この赤い色合いから、「赤センマイ(あかせんまい)」という別名でも広く知られています。とくに関西圏の焼肉店やホルモン専門店では「赤センマイ」の名前でメニューに載っていることが多く、「ギアラ」という呼び名は関東を中心に定着しています。

ギアラという名前の語源については複数の説があり、確かな由来はわかっていません。焼肉やホルモン焼きを楽しむうえで知っておくと面白い豆知識のひとつです。ホルモンの部位一覧でも紹介しているように、牛のホルモンの中でもギアラは個性的な旨みを持つ人気の部位のひとつです。

味と食感の特徴

ギアラの最大の魅力は、濃厚な脂の旨みとプリプリとした弾力のある食感です。ミノ(第一胃)のようなコリコリした硬さとは異なり、もちっとした柔らかさと適度な噛み応えを同時に楽しめます。脂の甘みが感じられ、ホルモンの中ではクセが比較的穏やかなため、ホルモン初心者にも食べやすい部位です。

焼くと表面がこんがりと香ばしくなりながら、内側にじわりと脂が滲み出てきます。この「外カリ内ジュワ」の食感が、ギアラを好む人が多い理由のひとつです。また、焼いたときに独特の甘みのある香りが立ち、食欲をさらに刺激してくれます。

同じ牛の胃袋であるミノ・ハチノス・センマイとの違いを以下の表でまとめました。

部位 食感 脂の量 主な特徴
ミノ(第一胃) コリコリ・硬め 少ない あっさりしている。塩との相性が良い
ハチノス(第二胃) ぷるぷる・やや柔らか 普通 蜂の巣状の独特な見た目。煮込みにも使われる
センマイ(第三胃) ザクザク・コリコリ 少ない 低カロリー。酢味噌との相性が抜群
ギアラ(第四胃) プリプリ・モチモチ 多い 濃厚な脂の旨み。甘みとコクが強い

カロリーと栄養価

ギアラは脂が多い部位のため、ホルモンの中ではカロリーが高めです。以下は一般的な目安の数値です(100gあたり)。

栄養素 100gあたりの目安
エネルギー 約210〜250kcal
タンパク質 約12〜15g
脂質 約15〜20g
コラーゲン 比較的豊富に含まれる
鉄分 微量含まれる

上記の数値はあくまで一般的な目安です。個体差や調理方法、仕入れ先によって数値は変動しますので、参考程度にご覧ください。

ギアラにはコラーゲンが豊富に含まれており、加熱したときのとろけるような食感のもとになる成分です。また、タンパク質もしっかり含まれているため、ホルモンとして栄養面でも優秀な部位といえます。カロリーが気になる方は食べる量を調整しながら楽しむとよいでしょう。他のホルモン部位とのカロリー比較はホルモンのカロリー比較の記事をご参照ください。また、ホルモン全般の栄養価について知りたい方はホルモンの栄養価も合わせてご覧ください。

美味しい食べ方・焼き方

ギアラを最大限に楽しむには、焼き方のコツを押さえることが大切です。

焼き方の基本手順

ギアラは脂が多いため、強火でしっかりと焼き上げるのが基本です。網の上に置いたら動かさず、片面に焼き色がついてきたら裏返します。両面に香ばしい焼き色がついて脂がじわっと滲み出てきたら食べごろのサインです。焼きすぎると硬くなってしまうため、「焼き色がついたらすぐ食べる」タイミングを意識するのがポイントです。

タレと塩、どちらが合う?

ギアラは脂の甘みが強い部位のため、甘辛い醤油ベースのタレや味噌ダレとの相性が非常によいです。タレの風味が脂の旨みをさらに引き立て、食べ応えのある一品になります。一方で、部位本来の味をじっくり楽しみたい場合や脂っこさを和らげたい場合は、塩でいただきレモンやポン酢を添えるのもおすすめです。最初の一枚はタレ、二枚目は塩で食べ比べてみると、ギアラの奥深さを発見できます。

下処理のポイント

焼肉店で提供されるギアラは、ほとんどの場合すでに下処理済みです。自宅で調理する際は流水で丁寧に洗い、臭みが気になる場合は塩もみして水で洗い流すと食べやすくなります。牛乳に短時間浸けるのも臭み取りに効果的です。ホルモン全般の下処理について詳しく知りたい方は、ホルモンの下処理方法の記事も参考にしてください。

注文するときのポイント

焼肉店やホルモン専門店でギアラを注文する際に知っておくと便利なポイントをまとめます。

まず最も重要なのは、「ギアラ」と「赤センマイ」は基本的に同じ部位を指すという点です。関東では「ギアラ」、関西では「赤センマイ」と呼ばれることが多いため、地域によってメニューの表記が異なります。旅行先や初めて入るお店でも両方の名前を知っておくと迷わずに注文できます。

また、ギアラはホルモンの中でも知名度がやや低く、取り扱っていない焼肉店もあります。ホルモン焼き専門店や内臓料理に力を入れているお店では提供している可能性が高いです。メニューに見当たらない場合でも、スタッフに確認してみると対応してもらえることがあります。

ギアラは「ホルモンの脂の旨みをしっかり楽しみたいけれど、あまりクセが強くないものを食べたい」という方に特におすすめです。シマチョウ(大腸)よりも脂のくどさが少なく、マルチョウ(小腸)よりも肉質が引き締まっているため、脂系ホルモンの入門としても最適な部位です。

ホルモンをいろいろと食べ比べたい場合は、ホルモンの焼き方の記事で各部位の焼き加減の目安も確認してみてください。また、どんな部位があるのか全体像を把握したい方にはホルモンの種類まとめもおすすめです。

まとめ

ギアラは牛の第四胃にあたるホルモンで、「赤センマイ」の別名でも親しまれている部位です。4つの胃袋のなかで唯一消化液を分泌する機能を持ち、内側の赤みを帯びた色が特徴的です。濃厚な脂の旨みとプリプリとした弾力のある食感は、ホルモン好きなら一度は味わいたい逸品です。甘辛いタレとの相性が抜群ですが、塩でいただくのもおすすめです。関東では「ギアラ」、関西では「赤センマイ」と呼び名が異なるため、お店によって表記が違うことも覚えておくと便利です。焼肉店やホルモン専門店でメニューに見かけたときは、ぜひ注文してみてください。