ホルモン焼きのメニューを眺めていると、「テッポウ」という部位を見かけることがあります。インパクトのある名前ですが、どこの部位なのか、どんな味がするのか、知らない方も多いのではないでしょうか。テッポウは取り扱い店が限られる希少なホルモン部位で、知る人ぞ知る一品です。本記事では、テッポウの基本情報から味・食感の特徴、カロリーの目安、そして下処理と美味しい焼き方のコツまで、まとめてわかりやすく解説します。

テッポウとはどこの部位?

テッポウは、豚の直腸(ちょくちょう)にあたる部位です。腸の中でも肛門にもっとも近い部分で、腸系ホルモンのひとつに分類されます。

名前の由来は、その独特な形にあります。直腸を縦に開くと、筒状だった腸が平らに広がります。この開いた状態の形が鉄砲の砲身(筒)に似ていることから、「テッポウ」と呼ばれるようになったとされています。見た目のインパクトと名前のわかりやすさが相まって、ホルモン好きの間では覚えやすい部位として知られています。

よく混同されるのが、大腸にあたる「シマチョウ(テッチャン)」です。テッポウはシマチョウよりもさらに肛門側に位置しており、腸の構造の中でも末端に近い部分を使います。1頭(または1頭分の豚)からとれる量が少なく、流通量が限られるため、ホルモン専門店や仕入れにこだわった焼肉店でしか見かけにくい希少部位です。

テッポウ=豚の直腸。鉄砲の筒に似た形が名前の由来で、大腸(シマチョウ)よりも肛門側にある希少なホルモン部位です。

味と食感の特徴

テッポウの最大の特徴は、その弾力のある独特の食感です。直腸は壁が比較的厚く筋肉質なため、噛んだときにプリッとした弾力とモチッとした柔らかさが同時に感じられます。コリコリという食感よりも、しっかりとした歯ごたえの中にほどよい柔らかさがある、とイメージすると近いかもしれません。

味わいは淡泊でありながら、噛むほどに旨みが広がるのが特徴です。脂の量はシマチョウやマルチョウ(小腸)ほど多くなく、くどさを感じにくいのが好まれる理由のひとつです。しっかりと火を入れることで余分な脂と水分が抜け、素材の旨みがよりすっきりと感じられます。

直腸ということもあり、独特のにおいが気になる方もいます。ただし、下処理をしっかり行った新鮮なテッポウは、特有のくせが軽減されており、食べやすくなります。味付けとしてはタレとの相性がよく、はじめて食べる方はタレで試すのがおすすめです。慣れてきたら塩でシンプルに食べると、素材の味がよりクリアに楽しめます。

カロリーと栄養価

テッポウのカロリーや主要栄養素について、一般的な目安を以下の表にまとめました。数値は生の状態での100gあたりの目安であり、個体差や調理方法によって異なります。

栄養素 100gあたりの目安
カロリー 約130〜160kcal
たんぱく質 約13〜16g
脂質 約7〜10g
コラーゲン 含む(一般的な目安)
鉄分・ミネラル 微量含む

テッポウは腸系ホルモンのなかでは比較的カロリーが抑えめで、たんぱく質も含む部位です。腸の部位全般にいえることですが、コラーゲンが含まれており、肌や関節のケアに関心がある方にも注目されています。ただし、過度な効果を期待するのではなく、バランスのよい食事の一環として楽しむのがおすすめです。また、焼く前に比べて焼いた後は脂が落ちてカロリーが下がる傾向があります。

下処理の基本と美味しい焼き方

テッポウをより美味しく食べるためには、下処理と焼き方の両方でひと工夫が必要です。

下処理のポイント
テッポウは直腸という性質上、しっかりとした下処理が美味しさと衛生面の両方で重要です。購入後はまず流水で内外をよく洗い、余分な汚れや臭みを落とします。その後、塩もみをして再度洗い流すか、牛乳や日本酒に30分ほど漬け込む方法が一般的です。牛乳漬けは特有のにおいを吸着・和らげる効果があるとされており、においが気になる方に向いています。専門店で提供されるテッポウはすでに下処理済みのことが多いですが、購入して自宅で調理する場合は丁寧に行いましょう。

焼き方のコツ
テッポウを網で焼くときは、中火でじっくりと火を通すことが基本です。直腸は壁が厚いため、強火で一気に焼くと外側だけ焦げて内側が生のままになりやすい点に注意が必要です。開いた状態(または筒状のまま)で網に置き、片面を2〜3分かけてじっくり焼いてから裏返しましょう。

仕上げのタイミング
表面に焦げ目がつき始め、端の部分がカリッとしてきたら食べごろのサインです。よく焼くことで余分な脂と水分が落ち、旨みが凝縮されてパリッとした食感が生まれます。好みに応じて焼き加減を調整してみてください。ただし、焼きすぎると固くなることもあるため、様子を見ながら加減しましょう。

テッポウは中火でじっくり、内側まで火をしっかり通すのがポイント。表面の端がカリッとしてきたら食べごろです。

注文するときのポイント

テッポウはすべての焼肉店やホルモン店で扱っているわけではなく、ホルモン専門店や仕入れにこだわった店舗でのみ見かける希少な部位です。メニューに見かけたら、ぜひ積極的に試してみましょう。

鮮度を大切に
テッポウは直腸という性質から、鮮度がとくに重要な部位です。変色があったり、強い不快なにおいがする場合は避けたほうが無難です。当日仕入れた新鮮なテッポウを提供している店舗を選ぶと、下処理のきれいさや食べやすさが大きく異なります。

他の腸系ホルモンとの食べ比べ
テッポウの魅力をより深く楽しむためには、テッチャン(大腸)シロ(小腸)などほかの腸系ホルモンと食べ比べてみることをおすすめします。同じ「腸のホルモン」でも、部位によって脂の量や食感、味わいが大きく異なり、ホルモン焼きの多様な魅力を一度に体験できます。

焼き方に不安な方は店員さんに確認を
テッポウは焼き加減が重要な部位でもあります。はじめて注文する場合は、お店のスタッフに焼き方の目安を聞いてみましょう。また、ホルモンの焼き方を事前に知っておくと、さまざまな部位をより自信を持って楽しめます。

まとめ

テッポウは豚の直腸にあたる希少なホルモン部位で、鉄砲の砲身に似た形が名前の由来です。

ホルモン専門店や仕入れにこだわった焼肉店でしか出会えないテッポウですが、見かけたときはぜひ試してみてください。ホルモンの部位一覧を参考に、テッポウ以外の希少部位も合わせてチェックしてみましょう。