焼き鳥は買ってきたときや焼きたてがいちばん美味しいのは確かですが、食べ切れなかったり時間が経って冷めてしまったりすることもあります。温め直し方を工夫すれば、購入時に近い状態でも十分に楽しめます。ポイントは「加熱しすぎない」「水分を逃さない」の2点。フライパン・トースター・電子レンジそれぞれの特性を活かした方法を押さえておきましょう。
温め直しの基本と事前準備
温め直す前のひと手間が、仕上がりを大きく左右します。道具を用意する前にまず準備を整えましょう。
冷蔵庫から出して常温に近づける
冷蔵庫で保存していた焼き鳥は、温め直す10〜15分前に室温に出しておくと均一に熱が入りやすくなります。冷えたまま加熱すると表面だけが温まって中心が冷たいまま残りやすく、余分に加熱することでパサつきの原因になります。ただし夏場は食中毒リスクがあるため、室温放置は30分以内を目安にしてください。
串と肉の状態を確認する
保存中に肉がほぐれかかっていたり、串が乾燥していたりする場合は、アルミホイルで包んでから温めると崩れを防げます。タレが固まっていても加熱すれば自然にほぐれるので、無理にこすり取る必要はありません。保存容器に残ったタレは、後から追いがけすると風味が戻りやすいです。
温め直し方の手順
使う道具によって向いている部位や仕上がりの特徴が異なります。それぞれの手順を確認して、状況に合わせて選んでください。
フライパンを使う方法
フライパンの蒸し焼きは、均一に熱を入れながら水分も保ちやすいためもっともおすすめの方法です。焦げにくく、もも・ねぎま・つくねなど幅広い部位に対応できます。
- フライパンに水を大さじ1〜2程度入れ、蓋をして中火にかける
- 蒸気が上がってきたら弱火にし、焼き鳥を並べる
- 蓋をしたまま1〜2分蒸し焼きにする
- 蓋を取って余分な水分を飛ばし、タレ焼きは焦げに注意しながら軽く表面を乾かして仕上げる
水の代わりに料理酒を少量加えると、アルコールが蒸発する際に肉の乾燥を防ぎ、風味も戻りやすくなります。水分が残りすぎると皮がしっとりしすぎるため、最後に蓋を開けて軽く飛ばすのがコツです。
トースターを使う方法
トースターは表面のカリッとした香ばしさを取り戻したいときに向いています。皮の焼き鳥や塩焼き全般と相性がよく、購入直後に近い食感になりやすいのが特徴です。
- アルミホイルを敷いたトースターに焼き鳥を並べる
- タレ焼きはタレの糖分で焦げやすいため、アルミホイルでふわっと包む(または霧吹きで表面に軽く水をかける)
- 1,000W前後で2〜3分加熱する
- 途中で確認し、表面に焼き色がついてきたら取り出す(タレ焼きはホイルを開けて最後の30秒だけ焼き色をつけるとよい)
加熱しすぎると肉が縮んで硬くなるため、途中でこまめに確認するのが大切です。串が木製の場合、長時間加熱すると焦げることがあるのでアルミホイルで先端を覆うと安心です。
電子レンジを使う方法
電子レンジは最も手軽な方法ですが、加熱しすぎると肉がパサつきやすいため注意が必要です。時間がないときや、つくね・レバーなどやわらかく仕上げたい部位に向いています。
- 耐熱皿に焼き鳥を並べ、ふんわりとラップをかける(密着させると蒸気の圧力がかかりすぎる)
- 500Wで1本あたり20〜30秒を目安に加熱する
- 加熱後はラップをしたまま30秒ほど蒸らし、中心まで温度を均一にする
- 中心が冷たい場合は10秒ずつ追加加熱する
加熱前に料理酒を少量ふりかけてからラップをすると、蒸気で肉がしっとり仕上がります。一度に多くの本数を加熱すると熱のムラが出やすいため、2〜3本ずつ温めるのが基本です。
加熱時間と仕上がりの目安
温め直す方法によって、向いている部位と仕上がりの特徴が異なります。下表を参考に使い分けてください。
| 方法 | 目安時間(2〜3本) | 仕上がりの特徴 | 向いている部位・串 |
|---|---|---|---|
| フライパン(蒸し焼き) | 2〜3分 | しっとり均一、全般的に使いやすい | もも・ねぎま・つくね・レバーなど全般 |
| トースター | 2〜3分 | 表面カリッと、香ばしさが戻る | 皮・砂肝・塩焼き全般 |
| 電子レンジ | 1本あたり20〜30秒 | 手軽・均一に温まるが食感は変わりやすい | つくね・レバー・やわらかい部位 |
どの方法でも共通して大切なのが「様子を見ながら少しずつ加熱する」こと。加熱しすぎてパサついた肉はリカバリーが難しいため、足りなければ追加する方向で進めましょう。
パサつきを防ぐ水分のキープ方法
焼き鳥が温め直しでパサつく主な原因は水分の蒸発です。以下の工夫で肉の水分を逃さないようにしましょう。
料理酒を活用する
フライパンで蒸す水の代わりに料理酒を使う、または電子レンジ加熱前に肉へ軽くふりかけると、アルコールの蒸発熱で肉の内部から水分が逃げにくくなります。また酒の香りが気になる臭みをやわらげる効果もあり、保存後の焼き鳥を新鮮に近い状態に戻す助けになります。量は1本あたり小さじ1/4〜1/2程度が目安で、かけすぎると味が薄まるため注意してください。
アルミホイルで包む
トースターで温める場合、アルミホイルでふわっと包むことで蒸気を閉じ込めて肉をしっとりさせられます。ホイルが熱を保持するため短時間で均一に温めやすいというメリットもあります。最後の30秒だけホイルを開けると、適度な焼き色と香ばしさを加えることができます。なお、電子レンジではアルミホイルは使用できないため、電子レンジにはラップを使ってください。
加熱後に蒸らしを入れる
フライパンや電子レンジで加熱した後、すぐに取り出さず30秒ほど蒸らすと中心部まで熱が行き渡り、温度が均一になります。蒸らしの間に余熱で加熱が進むため、実際の加熱時間は少し短めに設定しておくと過加熱を防げます。電子レンジの場合はラップをしたまま蒸らすのが基本です。
よくある失敗と対処法
焼き鳥の温め直しで起こりがちなトラブルとその対処方法をまとめます。事前に知っておくことで失敗を防げます。
パサパサになってしまった
加熱しすぎてパサついてしまった場合は、市販の焼き鳥のタレや醤油とみりんを合わせたものを少量塗り、フライパンで軽く表面に絡めながら温め直すのが有効です。タレの水分と旨みが加わることで、食べやすさがある程度戻ります。特にレバーや皮は熱に弱くパサつきやすいため、電子レンジよりもフライパン蒸し焼きを選ぶようにしましょう。
表面が焦げてしまった
タレ焼きをトースターや直火で温める際に、タレの糖分が焦げてしまうことがあります。アルミホイルで包むか、最初から低めの温度設定(800W以下)で時間をかけて温めるのが予防策です。少し焦げた部分は香ばしさとして楽しめる場合もありますが、黒く焦げた箇所は取り除いてから食べることをおすすめします。
中心が冷たいまま
外側は温まっているのに中心が冷たい場合、加熱時間が足りないか均一に熱が届いていない状態です。フライパン蒸し焼きであれば蓋をして弱火でじっくり追加加熱してください。電子レンジであれば加熱後の蒸らしを長めにとるか、10秒ずつ追加加熱して確認しながら進めましょう。冷蔵庫から出してすぐに温めると中心まで熱が通りにくいため、事前に常温に近づけておくことも有効です。
まとめ
焼き鳥の温め直しは、方法の使い分けと「加熱しすぎない・水分を逃さない」の2点を意識するだけで仕上がりが変わります。しっとりとした食感に仕上げたいならフライパン蒸し焼き、香ばしさを取り戻したいならトースター、手軽に済ませたいなら電子レンジがそれぞれ向いています。料理酒やアルミホイルなどのひと手間が、パサつきを防ぐ大きな助けになります。
焼き鳥の部位ごとの特徴については焼き鳥の部位一覧を、自宅で焼く際の火加減や串打ちのコツは自宅で焼き鳥を美味しく焼くコツもあわせてご覧ください。